日本の世界自然遺産
教育や科学や文化の発展と推進を目的とした国際的な専門機関「ユネスコ」。このユネスコが世界各国の文化、景観、自然など私たち人間全てが共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件だと認め、世界遺産リストに登録された物件を世界遺産と呼ばれます。
2018年7月6日現在、日本には22件の世界遺産があり、そのうち世界文化遺産が18件、世界自然遺産が4件あります。私たちの国の文化や自然が世界的に認められ、22件も世界遺産に登録されるなんてとても喜ばしいものですね。
ここでは、日本にある世界自然遺産の4件、屋久島・白神山地・知床・小笠原諸島を簡単に紹介していきます。
屋久島
屋久島は鹿児島の南南西約60kmの位置にある島で、周囲130km、円形に近い五角形の形をしています。島のほぼ全域が山地で島の90%が豊かな自然が残る森林となっています。
日本で初めて世界自然遺産に登録された場所。それが屋久島です。樹齢7200年を超えていると言われる縄文杉をはじめとする屋久杉が太古の森のような神秘的な景観を作り出しています。
屋久島はとても特殊な気候をしており、北海道から九州までの植物が屋久島の固有種を含め約1500種も見られることから「東洋のガラパゴス」とも呼ばれます。
亜熱帯植物から亜寒帯植物が海岸線から山頂へと連続植生しているのが見られ、植生遷移や暖温帯の生態系の変遷等の研究をするのにとても重要性を持っていることや、樹齢1000年を超える屋久杉を含む太古の森が美しい景観をを生み出していることが評価され、1993年12月11日に屋久島国立公園が世界自然遺産として登録されました。
その際、自然保護法に基づいて、世界自然遺産として登録された島面積の21%にあたる10,747ヘクタールが屋久島原生自然環境保全地域に指定されました。
白神山地
白神山地は、青森県南西部と秋田県北西部とにまたがる山地帯約13万ヘクタール(東京ドーム27660個分)の総称です。 この白神山地は約200万年前に日本海が隆起しできた山々が連なってできています。
原生的な天然のブナ林があり、ミズナラやサワグルミなどの植物が生息する貴重な地域で、ツキノワグマ、ニホンザル、イヌワシ、天然記念物に指定されているクマゲラなど、たくさんの種類の動物もおり、特徴のある生態系を形成しています。
これらのことから人為的な影響を受けていないブナ林が世界最大級の規模で分布されていることが評価され、屋久島と一緒に1993年12月11日に原生的なブナ林で占められている区域17万ヘクタールが世界自然遺産として登録されました。
世界自然遺産に登録された範囲はもっとも良く原生状態が保たれており、地球的に見てもたいへん重要な場所と評価されています。
知床
大自然が多いことで知られる北海道の中でも特に自然の都のままの姿を見れる場所、それが知床です。知床は、北海道東部に位置し、知床半島とオホーツク海挟まれている根室海峡は1964年に国立公園に指定されました。
知床という地名の由来はアイヌ語の「シリエトク」、今の言葉で「地の果て」を意味する言葉が由来となっています。
知床半島は、古い時代(860万年~200万年)の海底火山の噴火による噴出物で作られた地層の上に、陸上火山活動による隆起と噴火による溶岩の流出により形成されたエリアです。半島の中央には半島を東西に分断するように知床連山が連なり、その東西で地形や気温、降水量などがまったく違ってきます。
自然そのままの知床では多種多様な動植物が生息しており、海と川と森が一体となった独自の生態系を作っています。知床半島にはヒグマやキタキツネなどの陸上哺乳類をはじめ、トドやクジラなどの海生哺乳類、サケ・マスなどの魚類が自然そのまま暮らしています。
また、国際的にも希少なシマフクロウも生息しており、まさに知床は動植物の宝庫と言えるでしょう。
その動植物の宝庫が、2005年7月17日に世界自然遺産に登録されました。世界自然遺産に登録されたのは、半島の陸の部分だけではなく、沖合3キロメートルまでの海域を含む7万ヘクタールで、海から陸へとつながる生態系ができており希少な動植物の生息地となっている点、その動植物を保全する管理体制がしっかりとしているという点が評価されたからによります。
小笠原諸島
小笠原諸島は東京都から南へ約1000キロ行ったところに浮かぶ、大小30余りの島からなる離島群です。東京都から凄い離れた場所になりますが、行政上は東京都の一地域となっています。
これまでの歴史の中で小笠原諸島は陸続きになったことがなく、そのため、亜熱帯の気候の中で独自の生態系をつくりだし、島特有の動植物が多数生息することから、太平洋に浮かぶ亜熱帯の楽園とも呼ばれます。
2011年にはこれら独自の生態系が評価され、世界自然遺産に登録をされました。
また、小笠原諸島の海で見ることのできる透明感あふれるブルーの海は美しく、その青さは「ボニンブルー」と呼ばれています。